04:「持ってる男」 男子日本代表 辻 直人選手

「持ってる男」
辻 直人選手(東芝ブレイブサンダース神奈川)

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JBL2012-2013シーズンは、ルーキーながら全試合先発出場を果たし、オールスターゲームにも出場した辻 直人選手。所属する東芝ブレイブサンダースを初のプレーオフの舞台へ導く活躍をした一人であり、アイシンに敗れはしたが、ファイナルも盛り上げてくれた。そして、満場一致でルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。さらに、東日本大震災復興支援JBLメモリアルマッチで行われたシューティングイベント「JBL Shoot Star」では、ハーフラインからのロングシュートを2投目で決め、16秒という記録を叩き出した。ちなみにNBAオールスターでも同じことは行われ、2006年チーム・サンアントニオが25.1秒というのがNBA最高記録であった。それを上回るシュートを決めた辻選手は今、ノリに乗っている“持ってる男”なのである。

辻選手の経歴は華々しい。洛南高校時代はウインターカップで2連覇し、ベスト5に選出。青山学院大学では3・4年時に2年連続で大学4冠を達成、そしてインカレMVPに輝き、大学日本一の称号を引っさげてJBLに進んだエリート。しかし、日本代表となるとユニバーシアード代表にも選ばれていない。

開口一番、「飛び級で日本代表に入ってしまいました」と明るく話す辻選手。しかしその後は一転し、「日本代表での経験は貴重なので、何かを得られるように頑張りたいです。他の選手のプレイを見たり、ヘッドコーチの言うてることは僕自身にだけではなく、他の選手に言うてることも自分に照らし合わせて、少しでもプラスになるように練習中から心がけています」と、真面目な言葉を続けた。男子日本代表チームの指揮官である鈴木 貴美一ヘッドコーチは、「新人選手ながら東芝のエースであり、パスのセンスが良く、アウトサイドシュートがある選手です。日本代表ではポイントガード(以下、PG)として育てたい」と大きな期待を寄せる。

辻選手の長所を挙げるならば、3Pシュートが一番最初に思い浮かぶが、JBLでは次々と鋭いパスを出して観る者を魅了している。PGとして期待されていることに対し、「ちゃんと理解していますし、心構えはできています。ハーフコートでは、セットしてから始まるのでできる部分はありますが、ゲームの中では流れもあるので、そこでどのようなプレイができるかは、やってみないと分からない部分でもあります。不安もありますが、経験できることを大切にしたいです」と話し、自信とともに日本代表初選出である不安を見せた。

しかし、日本代表に初選出であっても、本年8月にフィリピンで開催されるFIBA ASIA選手権大会で3位以内に入り、2014 FIBAワールドカップへの出場というチーム目標を目指さなければならない。「東アジア選手権が初めての国際大会となり、どこまでできるかも分かりませんし、PGも初めてなので、最初にくる気持ちは不安です。世界を見据える前に、この大会で自分がどこまでできるかが重要になります。逆に言えば、この大会で通用すれば、この先のFIBA ASIA選手権も自信を持ってプレイできるようになります。今後に向けてもひとつのポイントとなる大会ですので、思い切ってプレイしたいです」と話し、目の前に控える東アジア選手権に照準を合わせている。

自分の性格を「調子のり」と言う辻選手。初めて臨む国際大会となる東アジア選手権大会だが、優勝経験豊富な辻選手には、ぜひとも初陣から頂点を狙ってもらいたい。「他のチームも若手が多いと聞いていますので、外国人であろうと自分より年下には変わりません。強気なプレイをしていきたいです」と抱負を語った。性格そのままに、どんどん調子に乗ってチームを勢いづかせ、日本代表に興奮と幸運をもたらせる“持ってる男”っぷりに期待が高まる。

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辻 直人(つじ なおと)
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生年月日:1998年9月8日(23)
ポジション:PG
身長/体重:185cm / 84kg
出身校:高鷲小→高鷲中→洛南高→青山学院大
出身地:大阪府
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