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現地レポート

左腕の「12」に誓う RSS

2014年12月26日 13時39分

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憧れの人に並ぶことはできた。しかし越えることはできなかった――。

東京・東京成徳大学は、愛媛・聖カタリナ女子に【62-79】で敗れ、今年もメインコートに立つことができなかった。試合後、遠香 周平コーチは、選手たちにこう言っている。
「自分たちのバスケットが出せていなかった。今年のチームは確かにベスト4にチャレンジするだけの能力を持っていた。でも東京成徳大学のバスケットは、能力でやるスタイルじゃない。だから足が止まってはダメなんだ」
悔恨とも、次の学年に向けたメッセージとも取れる言葉だが、確かに東京成徳大学の足は止まっていた。聖カタリナ女子の厳しいディフェンスと、そこから繰り出される速い展開のバスケットにのみ込まれてしまったのかもしれない。

アウトサイドの中心プレイヤー、#6川井 麻衣は負けたことに加え、「1・2回戦で力を出すことができず、チームに貢献できなかった。今、大会が終わってみて、それが一番悔しいです」と涙を流す。

左腕に「12」のアームバンドをつける東京・東京成徳大学⑥川井 麻衣

左腕に「12」のアームバンドをつける東京・東京成徳大学⑥川井 麻衣

しかし今日の彼女は1試合を通して全力だった。顔を紅潮させるほどに力を出し切って、コートを走り回っていた。それはまるで同校出身の女子日本代表チームの吉田 亜沙美選手(現・JX-ENEOSサンフラワーズ)のように――。

今大会、川井の左腕には「12」と刺繍されたアームバンドが装着されていた。
「亜沙美さんからいただいたものなんです。目標の選手なので、お守りというか、高校最後の大会で思い切りプレイしようと思って、着けました。亜沙美さんのように、いつもアグレッシブなプレイをしたかったので」
だからこそ、1・2回戦で思い切りのよいプレイを出せなかったことを悔いたのだ。チームメイトに対してもそうだが、腕につけたアームバンドに対しても不甲斐ない思いを持ったわけである。

次のステージでもアグレッシブなプレイに期待したい

次のステージでもアグレッシブなプレイに期待したい

それでも「亜沙美さんのルーズボールに飛び込む姿勢や、チームが苦しいときでも声を出し続けるリーダーシップ、気持ちの強さに憧れる」川井は、今日のゲームで何度も声を出し、チームを盛り上げていた。プレイでも吉田選手を彷彿させるような鋭いドライブに、そこからのネックバックパス(首の後ろを通して出すパス)、さらには3Pシュート力も見せつけて、チームトップの21得点を挙げている。ウインターカップでの成績は吉田選手と同じベスト8止まりだが、これからさらに伸びそうな要素をいくつも見せていた。

高校卒業後はWJBLのチームに進むそうだが、そうなれば吉田選手と同じコートに立つことも十分に考えられる。
「まずはチームに慣れることが第一だと思っています。ポジションも変わると思うので、与えられた仕事をしっかり覚えていきたいです。また体の当たりも高校とはまったく違うから、まずは体づくりをして、もし亜沙美さんと同じコートに立つことができたら、必死に食らいついていきたいですね」

奇しくも東京成徳大学での川井のコートネームは「流(リュウ)」だという。それは吉田選手と同じものである。高校最後の大会は悔しい結果に終わったが、新しい舞台で「チームに勝利への流れをもたらす」ことができるか。それができれば、また一歩、憧れの人に近づく。

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