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現地レポート

価値ある初戦敗退 RSS

2014年12月23日 15時26分

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価値のある敗戦と言っていいだろう。
福島・県立郡山商業である。福井・県立足羽に対して最終ピリオドが始まる時点で10点リードしていたが、ファイナルスコアは【83-84】。わずか1点差で2回戦進出はその手からこぼれ落ちた。

1点差で敗れ、涙を流す県立郡山商業

1点差で敗れ、涙を流す県立郡山商業

「勝たせてあげたかったです…誰もがこの試合は県立足羽が勝つだろうと思っていたと思います。だから一泡ふかせてやろうと思っていたし、選手たちも『やってやろう』という気持ちを持っていました。あの子たちは2年間ずっと負け続けていて、ようやくつかんだウインターカップでした。でもビッグネームにも臆することなくプレイしてくれて、本当によくやってくれました。だから勝たせてあげたかった…私の力のなさです」

県立郡山商業の松本 理コーチはそう唇を噛む。
キャプテンの#4岡部 真季も「最後の最後で何かが足りなくて負けたんだと思います。今はああしていれば、こうしていればという反省しかありません」と涙を流す。
足りなかった何かとは何か――。
一つは県立足羽の2年生センター、#9村井 杏奈の高さを封じることができなかったことだろう。高さがないことは十分に理解していたが、それでも実際にポストアップされ、振り向かれると手が届かなかった。そこで確実に決めた村井もさすがというしかない。

加えて、県立郡山商業の1年生ガード、#15面川 美空は「気持ちの強さでも圧された」と認めている。全国レベルの強豪校が持つ、意地にも似た気持ちの強さ。そうした気持ちに圧される経験がないわけではない。インターハイでも東京・明星学園と戦い、それを肌で感じていたのだが、今回も越えることができなかった。

県立郡山商業④岡部 真季

県立郡山商業④岡部 真季

しかし県立郡山商業がやろうとしてきたプレイは、間違いなく県立足羽を苦しめていた。特にスクリーンプレイは県立足羽のディフェンスを狂わせていた。そこからノーマークになると、思い切りのいいシュートを放つ。全員がそうした共通理解のもとにプレイをし、そのシュートが次々と決まったのだから、彼女たちは自らの力でゲームのリズムを生み出したと言っていい。

「第3ピリオドまでは強い気持ちでプレイできていたと思います。自分自身、相手のスピードについていくことができたし、1対1でも攻めることができたから」

面川がこの試合でつかんだ手応えをそう言えば、岡部は県立足羽に通用した要因をこう話す。

「今まで流した涙の分だけ、強くなれたんだと思います」

大きな山を越えることはできなかったが、自分たちの成長を誰よりも彼女たち自身が感じていたわけだ。
それを踏まえて、岡部は後輩たちにこう伝えたいという。

県立郡山商業⑮面川 美空

県立郡山商業⑮面川 美空

「あとは力を出し切るかどうか。練習はウソをつかない。来年はぜひ勝ってほしい」

面川もまた、来年以降に向けて、誓う。

「この経験を無駄にしないで、悪かったところをしっかり修正したい。そして来年もこの舞台に立ちたいです」

先輩たちが示してくれた道は間違いなく全国につながっている。それに沿いつつ、さらなるレベルアップをしたとき、大きな山を越えることができるのだろう。この“価値ある敗戦”を生かさない手はない。

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