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現地レポート

初出場で負けたチーム、初出場に負けたチーム RSS

2014年12月24日 14時08分

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何事も“初めて”には緊張するものだ。しかし誰もが“初めて”を経験して、また次につながっていく。

ウインターカップ初出場の女子、大阪・大阪桐蔭は、愛知・安城学園に【61-69】で敗れた。大阪桐蔭の森田 久鶴コーチは「(初出場で)舞い上がっていたところもあると思うが、私が彼女たちに平常心でプレイさせてあげることができなかった」と悔やむ。
「大阪薫英女学院を破っての初出場で、第3シードまでいただいたのですが、そのせいで選手たちが硬くなるのでは、という心配が思い切り出てしまいました」

ボール運びをする大阪・大阪桐蔭⑮西岡 里紗

ボール運びをする大阪・大阪桐蔭⑮西岡 里紗

プレイ面でも、安城学園のゾーンプレスにリズムを完全に狂わされた。大黒柱のセンター、#15西岡 里紗が「ガードが苦しんでいたので、自分の判断でしました」というボール運びで、ペースはおのずとスローになっていく。速攻を宗とする大阪桐蔭のバスケットではない。

しかしそれは、安城学園が狙っていたことでもあると、金子 寛治コーチが認める。
「西岡がボール運びをしてくれれば、そのぶん彼女に負担がかかるし、疲れさせることもできる。そして、ゴール下にいる時間を少なくすることができますからね」
大阪桐蔭は初出場の緊張感に加え、安城学園の策にもはまり、最後まで自分たちのリズムでプレイができなかった。

初出場の大阪桐蔭が敗れた一方で、6年連続31回目の出場となる宮崎・県立小林は、初出場の新潟・開志国際に【56-61】に敗れた。
県立小林の前村 かおりコーチが言う。
「ディフェンスはよくやってくれましたが、ウインターカップという雰囲気の中でいつも通りのオフェンスができませんでした。それが歯がゆいです。やりきったという感じがしません…本当に悔しい」
初出場であっても、連続出場をしているチームであっても、ウインターカップには独特の雰囲気、空気感あるようだ。そのなかで本来の力を出せるチームが、真に強いチームであり、上位に進めるということだろう。

パスを出す宮崎・県立小林⑩夏井 麻朱

パスを出す宮崎・県立小林⑩夏井 麻朱

雰囲気に呑まれたことは、県立小林の2年生ポイントガード、#10夏井 麻朱も認めるところだ。そのうえで彼女は続ける。
「リバウンドがずっと課題と言われていて、そこを開志国際の留学生にやられてしまいました。でも延岡学園にも身長の高い留学生はいて、何度も対戦しているので、留学生にやられたというより、自分たちがそれをウインターカップでも改善できなかったことが悔しいです」

開志国際は1年生だけのチームということでも注目を集めているが、一方の県立小林も主力は1、2年生。しかも夏井は、今大会をケガで外れた六ヶ所 希望らとともに中学の全国大会を制したキャリアの持ち主だ。悔しさは残るが、次のチームを引っ張る司令塔としては、前も向かなければならない。
前村コーチは言う。
「今の2年生たちが入学してきたときから、彼女たちが3年生になる年に日本一になろうと目標を立てていました。今回の経験を強みにして、目標を変えることなく、来年は日本一を目指します」

初出場で負けた大阪桐蔭は、西岡という大黒柱を失うが、この敗北を来年以降のチーム作りに生かしてほしい。初出場の開志国際に負けた県立小林もまた、この経験を目標達成のための一歩にしてほしい。

千里の道も一歩より、である。

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