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現地レポート

ひたむきに、ただひたすらに RSS

2014年12月25日 16時25分

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小さかったら高く飛べ――かなり昔、背の小さいNBA選手をモデルに、あるスポーツメーカーがCMのために作ったキャッチフレーズだ。しかし背が小さくて跳躍力が図抜けている選手などそう多くはいない。じゃあ、スピード勝負だ。そう思っても、スピードもない。だったらどうするか。

愚直にリバウンドに入り続けた熊本・県立大津⑧塚本 祐子

愚直にリバウンドに入り続けた熊本・県立大津⑧塚本 祐子

熊本・県立大津のセンター、#8塚本 祐子は、だったら「相手に飛ばせなければいい」と考えた。センターの役割の一つであるリバウンド。そのリバウンドを相手に取らせないために、彼女は体をあてて、相手を飛ばせないようにした。うまくいかず、リバウンドを取られたとしても、最後まで体をあて続けた。
「ディフェンスリバウンドでは自分のマークマンを飛ばせないようにして、周りのチームメイトにリバウンドを取ってもらう。オフェンスリバウンドでも相手を飛ばせないように体をぶつけておいて、もう一方の手でリバウンドを取る。そんな練習をしてきました。でも東京・東京成徳大学は、私が片手でリバウンドを取ろうとしたところに周りの選手が取りにきて、思ったように取れませんでした」

そのあたりにもファイナルスコア【51-84】の差は出たのだろう。県立大津のウインターカップ2014は3回戦で終わった。

県立大津は決して背の大きいチームではない。むしろ小さい部類に入る。最も身長の高い塚本さえ174センチで、全国レベルのセンターの高さはない。それでも彼女はチームを下から支える役割に徹した。
むろん得点力も磨いている。上村 由久コーチは少し悔やむように言う。
「彼女にはフックショットという武器があって、これまで留学生など背の高い選手からも得点を取ってきました。昨日の宮城・聖和学園戦でも25得点を取っていますし、今日もチャレンジさせてあげればよかった。平面勝負と言ったことで、まじめな彼女はスクリーナーになって周りを生かそうとしていましたから」
本来はもう少し得点力のあるセンターなのだが、全国レベルの相手と勝負をするめには脇役にまわったほうがいい。彼女はそう考えたわけだ。

最初から最後まで走り続けた県立大津

最初から最後まで走り続けた県立大津

しかしそれだけが、彼女がボールを受ける機会は減らした原因ではない。
「相手が大きいので、カットされることを怖れて、攻めることができませんでした」
塚本がそう認めるのも無理はない。マッチアップをしたのは、今年度の女子U-18日本代表にも名を連ねた#7田中 真美子である。180センチの相手に対し、塚本は「リバウンドが強く、1対1の技術もあった」と言う。
そしてこう続けるのだ。
「学ぶところがたくさんある選手でした」

高校生活最後のゲームは自分たちのプレイも、自分のプレイも出せずに完敗で終わったと彼女は悔やむ。しかしチームとして必死に足を動かし続け、塚本自身もまま最後までひたむきに、ひたすらに体を当て続けていた。
結果は出せなかったが、小さくても諦めずに戦い続ける姿勢は、十分に全国レベルだった。

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