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現地レポート

3年生の思いを背負う女王のシックスマン RSS

2014年12月27日 13時40分

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死闘と言っても過言ではない準決勝だった。それを制したのは、現在2連覇中の愛知・桜花学園。愛媛・聖カタリナ女子の出だしの鋭いディフェンスと、シンプルだが精度の高いオフェンスに苦しめられた。それでも最後は強みであるインサイドプレイを徹底し、【74-70】で振り切った。3大会連続の決勝進出である。

つなぎのジャンプシュートを沈めた愛知・桜花学園⑨遠藤 桐

つなぎのジャンプシュートを沈めた愛知・桜花学園⑨遠藤 桐

勝因は、繰り返しになるが、ゲームの最終盤に見せたインサイドの強さであった。聖カタリナ女子はファウルで止めるのが精一杯だった。
だがもう一つ見逃せない点がある。シックスマンでコートに入った#9遠藤 桐の存在である。不調の#6若原 愛美に替わると流れをつなぐジャンプシュートを決めていった。「インターハイの決勝でも#5上田 祐季に替わって、あの子の3Pシュートで勝っている。力のある子」と井上 眞一コーチも認める2年生だ。

当の本人はシュートを決めたことよりも、ディフェンスに終始していたと言う。
「公式戦としては今年初めての対戦で、スカウティングビデオを見ていてもドライブと3Pシュートの精度が高いチーム。その中で私は曽我部(奈央)さんについたのですが、聖カタリナ女子は彼女が中心だから、彼女を抑えなければという気持ちが強かったです。やられた場面はたくさんありましたけど、少しは…いつもより少しは点数を減らすことができたかな」

鍵になったオフェンスに話を向けると、決めたことよりも、外した3Pシュート(7本中0本)を悔やんで、うっすらと涙を浮かべる。3Pシュートがもう少し決まっていれば、流れを持っていかれずに済んだというわけだ。
それでもつなぎのジャンプシュートについては「みんながパスばかりを狙っていたし、シュートはリバウンドシュートが多かったので、『ここはアウトサイドから決めなきゃ』という気持ちで打ちました」と話す。
ベンチでゲームの状況をよく見て、今、何が必要かをしっかりと見極めていたのである。

第4ピリオド、遠藤は聖カタリナ女子⑤曽我部 奈央のドライブをブロック

第4ピリオド、遠藤は聖カタリナ女子⑤曽我部 奈央のドライブをブロック

敗れた聖カタリナ女子の田村 佳代コーチが言う。
「一番打たれたくなかったのは高辻(真子)さんと、インサイドの加藤(優希)さん、(馬瓜)ステファニーさんだったので、遠藤さんに決められたのは仕方がないところ。彼女がよく頑張ったということでしょう」
チームとしては守るべき選手を守ったうえで、それ以外の選手に決められたのだから、遠藤の力を認めざるを得ない。裏を返せば、それこそが桜花学園の強さでもある。

これで桜花学園は高校3冠にまた一歩近づいた。遠藤が言う。
「3年生と一緒にやれるのは、オールジャパンを除くと、この大会が最後になります。3年生の『高校3冠をしたい』という思いはわかっていますし、だからこそコートに立つ選手として、すべての3年生の思いを背負っているので、明日もしっかり戦いたいです」
そしていたずらっぽく、続ける。
「私たち2年生にとっても『高校9冠』もかかっていますから」

高校3冠を取ることがどれだけ難しいか、昨年の3冠と、今年の2冠、そして今大会までの道のりを見て十分にわかっている。それだけに「高校9冠」を強く思っているわけではない。ただ彼女たちはまだそれに向かう挑戦権を持っている。目の前のゲームに向き合い、そのうえで未来も見据える遠藤のバックアップは、明日の決勝戦でも楽しみである。

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