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現地レポート

苦しみの先にある熟成 RSS

2014年12月27日 17時11分

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勝負の世界で注目されることは、すなわちマークが厳しくなることでもある。それはわかっていたはずだ。わかっていたはずなのだが、やはりコートの上では苦しんでしまう。それがウインターカップをして「真の高校日本一を決める大会」と言わしめるゆえんなのだろう。苦しんだ先に、その称号はある。

福岡・福岡大学附属大濠が苦しみながら、勝ち進んでいる。ベスト4をかけた準々決勝でも秋田・県立能代工業に粘られながら【94-84】で勝っている。
試合後、福岡大学附属大濠の片峯 聡太コーチはこう言っている。
「今日はお互い伝統校同士、意地と意地のぶつかりあいでもありました。お互いがやってきたことをどこまで出せるか。我々の持ち味は1対1だし、県立能代工業はディフェンスからファストブレイク。そのどちらが強いのかを見せるゲームでもありました。内容としては濃くないものだったかもしれませんが、意味のあるゲームだったと思います」
生みの苦しみを知る古豪同士の戦いは、先に苦しみから抜け出した福岡大学附属大濠に軍配が上がったというわけだ。

ゴールにアタックする福岡・福岡大学附属大濠④鳥羽 陽介

ゴールにアタックする福岡・福岡大学附属大濠④鳥羽 陽介

大会を通して苦しんでいる理由については、片峯コーチもエースの#13津山 尚大も、そしてキャプテンの#4鳥羽 陽介さえも、「マークが厳しくなって、やりたいことをやらせてもらえない」と口を揃える。そのうえで鳥羽はこうも言っている。
「自分たちのバスケットは5人にそれぞれの役割があるのですが、1、2回戦ではそれにバラつきがあったように思います」
個々の役割を徹することで機能するチームが、優勝への気負いからなのか、それともマークの厳しさへの嫌気からなのか、その意識にずれが生じていたというのだ。
「今日の能代工業戦も、最初は相手の名前を意識しすぎていたところがありました。でも抑えるポイントのディフェンスをすることで、徐々に5人の役割を徹底できてきたように思います。だから、たとえ点差を詰められても焦ることなく、逆に突き放すことができたんです」
徐々にだが、自分たちのバスケットを取り戻しつつあるのだろう。

ディフェンスでもチームを引っ張る福岡大学附属大濠⑬津山 尚大

ディフェンスでもチームを引っ張る福岡大学附属大濠⑬津山 尚大

ディフェンスでの我慢はまた、津山も認めるところだ。
「夏までは流れが悪いとうまく切り替えられなかったのですが、今はディフェンスで我慢をして流れを掴むつかむことができるようになりました」
ディフェンスをベースにする福岡大学附属濠のバスケットが、ようやく形になってきたことも、苦しみながら勝っている要因である。

チーム全体の雰囲気も悪くない。タイトルにこだわることなく、大会を楽しめていると鳥羽は認める。そのうえで準決勝以降について、意気込みをこう語る。
「これまでの3戦は重たい雰囲気でしたが、少しずつ良さも出てきています。あと二つ、悪いところは修正して、いいところは伸ばしていきたい。そして自分たちらしいバスケットを熟成させて、優勝したいです」
ウインターカップ制覇までの険しい道は続くが、完熟の福岡大附大濠を見せつけるまで、その道から降りるわけにはいかない。

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